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原子炉で生まれる放射性物質を生成原因で分けると、セシウム137やヨウ素131などの核分裂生成物と、コバルト60、マンガン54などの放射化物の2つです。
核分裂生成物は、燃料の核分裂によってできる物質で、放射能を持ち燃料棒の中に蓄積されます。一方、放射化物は、原子炉の構成材料である鉄やニッケル、冷却材中の不純物が中性子を受けて放射性物質に変わったもので、冷却材中で生成されます。この放射化物は冷却材とともに原子炉の中を回っていますが、少しずつ廃棄物処理系で処理されています。従って、放射化物の量は核分裂生成物の量より少なくなっています。
原子力発電所の安全確保の基本は、このような放射性物質をどんな場合でも厳重に閉じこめてできるだけ外部に出さないことです。放射性物質を封じ込めるための第1の防壁は燃料そのものです。ウラン燃料は小指の先ほどの大きさの円筒状で陶器のように焼き固められていて(ペレット)、その中に放射性物質を閉じこめています。第2の壁は、ペレットをジルカロイという丈夫な金属の管で密封している燃料被覆管(燃料棒)です。原子炉容器は、高い圧力に耐え気密性が保たれているので第3の壁の役割を果たします。
原子炉容器は、鋼鉄あるいはコンクリート製でできた原子炉格納容器(第4の壁)に納められており、さらにその外には原子炉建屋という第5の壁があります。
原子力発電所では、このように五重の壁でペレットの中で生まれた放射性物質を閉じこめています。 |