Q |
報告書の中で、ナトリウム漏えいや蒸気発生器の水漏えい時の対応として「原子炉を停止する」とあるが、原子炉が完全に止まるというのはどういう状況なのか。
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A |
福井大学学長
(京都大学名誉教授)
座 長
児嶋 眞平
●専門/
有機合成化学 |
●原子炉が止まるということは、出力が0で電気も起こさない状態のことです。原子炉が止まると、燃料の中の核分裂も止まります。しかし、燃料の中には放射性物質があり、崩壊熱と呼ばれる余熱が発生するため、その熱を冷やす必要があります。この崩壊熱は、冷却材であるナトリウムに伝わります。
●原子炉を停止した直後は、この崩壊熱を蒸気発生器で除去します。崩壊熱は、時間が経つにつれ小さくなるので、蒸気発生器に流れているナトリウムを空気冷却器に流すように切り替え、送風機で冷却します。
●原子炉が止まると、約1日で原子炉内は低い温度(約200℃)まで冷却され、その温度で維持されます。
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Q |
現在の蒸気発生器伝熱管の検査装置では、小さな傷が発見できないというのは本当か。
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A |
京都大学名誉教授
若林 二郎
●専門/
原子力システム工学 |
●「もんじゅ」の現在の検査装置では、蒸気発生器伝熱管の減肉型の損傷について、伝熱管肉厚の20%以上の減肉であれば検出することができます。しかし、ピンホール型や細いクラック型の損傷については、現状の技術では正確に検出することはできません。
●ピンホール型やクラック型の傷が成長して、わずかな漏れに至ったとしても、それを早く検出して原子炉を確実に停止させることができるため、「もんじゅ」は工学システムとして安全であると言えます。
●委員会では、事業者が将来的に検出感度を高めるための努力を行うよう意見としてまとめています。
※〈ピンホール〉・・・針で突いたほどの小さな穴
※〈クラック〉・・・・ひび割れ
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Q |
ナトリウムと空気の接触については、どのような対策が取られているのか。
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A |
福井工業大学教授
(大阪大学名誉教授)
柴田 俊夫
●専門/
金属化学
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●ナトリウムは、中性子を減速させることなく、熱を伝える性質にも優れているため、高速増殖炉の冷却材として使用されています。また、沸点が約880℃と高いため、低い圧力で使用することができるというメリットがあります。
●一方、水と激しく反応して水素を発生し、高温の場合は空気中の酸素と反応して燃焼する性質を持っています。
●このため、ナトリウムと空気の接触を防ぐ方法として、ナトリウムを使用している機器の内部は、ナトリウムと反応しない不活性なガス(アルゴンガス等)で満たしています。
●ナトリウム漏えいに対しては、漏えい検出器や監視カメラなどで漏えいを早期に検出して原子炉を停止します。
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Q |
報告書では、「もんじゅ」は工学的に十分な安全性を持つ設備であると判断しながら、「原子力施設周辺の環境に放射性物質による深刻な影響を与える可能性が無視できるほど小さい」としている。これは、事故の可能性を暗に示すものではないか。
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A |
(若林委員)
●大規模な工学システムでは、異常の発生や機器の故障を全くなくすことはできません。このため、できるだけ早く異常を検出して、速やかにそれを修復することで信頼性を保っています。これは「もんじゅ」だけでなく、あらゆる工学システムにおいても同様です。
●委員会では、これまでの審議の結果、サイクル機構が計画している改造工事により「もんじゅ」の安全性は一段と向上し、工学的に十分な安全性を持つ設備になると判断しました。
京都大学教授
中込 良廣
●専門/
核燃料管理学、
原子核物理学、
エネルギー政策学 |
(中込委員)
●安全に対する考え方は、1つの機器だけで100%とするのではなく、システム全体として100%安全という形に近づけていくことが基本です。
●事故を起こさないように確率を低くしたシステムにしたとしても、そこには人間が絡んできます。そういう意味でも、ソフト・ハードの面で安全を高めていくということが非常に重要になってきます。
●「事故が起こる、起こらない」と議論するのではなく、報告書にも記載しましたが、万一、起こったらどうするのかということについて設計上で考慮し、また、継続して緊急時訓練等を実施していくという姿勢が安全対策の基本的な考え方です。
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Q |
「もんじゅ」の配管は厚みが薄く、構造物により吊られている。地震に対する備えはどうなっているのか。
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A |
大阪大学大学院教授
堀池 寛
●専門/
原子炉工学、
核融合工学 |
●「もんじゅ」はナトリウムを使用しており、圧力を低くした状態で運転できることから、配管や容器の厚みも軽水炉に比べ薄いものを使用しています。
●しかし、使用温度が高いので、配管の熱伸びを逃すために、配管系に曲がり部を多く設置しています。
●配管の支持装置は、配管の熱伸びのような緩やかな変化は拘束しませんが、地震等の急激な力に対しては、配管を拘束する役割を果たしています。
●このため、地震による揺れに対しても十分な機能を有していると言えます。
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Q |
プルトニウム使用に不安がある。どのような管理が要求されるのか。
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A |
名古屋大学教授
榎田 洋一
●専門/
核燃料サイクル工学 |
●プルトニウムについては、その化学的な性質、放射能の危険性や特性等を十分認識して、適切に管理したうえで取り扱うことが重要です。
●プルトニウムは、化学的な毒性だけをみるとウランと変わりませんが、同じ重さあたりの放射能は桁違いに大きいという特徴があります。
●また、α線という放射線を放出します。α線は紙一枚でさえぎることができますが、プルトニウムを吸い込むと、長時間体内に留まり、ガンの発生などの放射線障害を起こす可能性があります。
●化学物質の中にもヒ素やダイオキシンのように危険なものもあります。これらは工業的に取り扱う場合、厳重な安全管理の下で取り扱っており、プルトニウムも同様に厳重な取り扱いをすれば問題はありません。
●他の原子力発電所(軽水炉)では、ウランを燃料として使用していますが、運転中にプルトニウムが発生し燃焼するため、結果的に燃料として使用している事実があります。
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